大田原市内で標識リングを付けられたケリが栃木県外まで移動！			HOME
公開調査　野鳥トピックス

　栃木県大田原市内で標識リングを付け（カラーマーキング）放鳥したケリが、次のとおり移動先で確認されました。その他の詳細情報は、河地さんのＨＰをご覧ください。

No.	確認日	確認場所	数	状況	足環の色など	放鳥日、場所
1	2007/09/07	茨城県取手市藤代	1羽	10±羽の群の中に1羽	左 足 右 足 桃 赤 橙 銀	2007/05/05 大田原市湯津上
2007年5月5日に湯津上でマーキングしたケリの成鳥は、同年9月7日に取手市で、また2008年2月29日にも取手市で確認されています。おそらくこの地で越冬したのでしょう。そして、約1か月後の2008年 3月22日には、1年前にマーキングした地である湯津上で交尾しているところが確認されました。また同じ繁殖地に戻ってきたことになります。
2	2008/08/16	茨城県取手市藤代	1羽	10±羽の群の中に1羽		大田原市湯津上
3	2009/08/08	茨城県取手市藤代	1羽	10±羽の群の中に1羽		大田原市湯津上
4	2009/08/26	埼玉県杉戸町	1羽	15±羽の群の中に1羽	左 足 右 足 紫 赤 黒 銀	2009/04/29 大田原市湯津上
5	2009/09/08	栃木県栃木市大宮町	1羽	15±羽の群の中に1羽	左 足 右 足 緑 赤 ？ 銀 ※ 左足の下側の足環は脱落した可能性があります。	2009/04/29 大田原市湯津上
No.4と5の2羽を湯津上の田んぼで最後に観察したのは、ともに2009年7月31日で、34羽の群の中にいたマーキングされたケリ9羽のうちの2羽でした。それぞれ移動先では15±羽の群の中にいましたが、それぞれマーキングされたケリは1羽だけでした。それでは、湯津上で観察した34羽の群が2つに分裂して、それぞれ栃木市大宮町と埼玉県杉戸町へ移動したのでしょうか。何となく羽数は合いますがマーキングされたケリが夫々の群には1羽ずつで混じっていることからするとどうもそうではないようです。きっと湯津上からバラバラになって越冬地へ向かい、越冬地では新たに別の群を作るのかもしれません。
6	2009/10/24	栃木県大平町真弓	1羽	11羽の群の中に1羽	左 足 右 足 紫 赤 白 銀	2009/05/10 那須塩原市赤田工業団地
No.6の個体は、2009年5月10日に那須塩原市赤田工業団地でマーキングし放鳥したヒナ4羽のうちの1羽です。この個体の両親、兄弟姉妹には全てカラーリングが付いています。4兄弟は2009年8月頃には湯津上や上石上の田んぼにそれぞればらばらになって確認されていました。大平町での11羽の群の中には、リングを付けた個体が1羽しかいなかったということは、家族で越冬地へ向かうのではないということになります。成鳥と幼鳥の群を見かけると単純に「家族」だと思いがちですが、そんな単純ではないということです。

　マーキングされたケリは、2009年までに44羽が放鳥されています。もし、マーキングされたケリを観察したら、観察日と場所を河地さんまでご一報ください。